銀河図書館の感想

先日リリースされた「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER 19 With Love」に収録されている、「銀河図書館」。僕の担当アイドルである鷺沢文香の2曲目となるソロ曲です。今回はその感想になります。未聴の方にはネタバレになる要素が多数ございますので前もって言っておきます。詳しい前情報なしで聴いて欲しい。「なんかヤバイらしい」くらいの認識で聴いて欲しい。

 

結論から書くと、まぎれもない名曲でした。本当に素敵な曲に出会えました。よかったね文香。

 

正直、ソロ2曲目のリリースが発表された時は複雑な気持ちでした。新曲のリリース=担当が活躍する姿を見て嬉しくならないオタクはいないと思いますし、僕もそうでした。ただ、ソロデビュー曲である「Bright Blue」を自身の中で完全に消化出来ていなかったことが引っかかっていました。 まずはそこから触れていきます。

現在、シンデレラガールズにおけるアイドルのソロ1曲目は例外を除き、ほぼ全てが「THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER(以下CM)」としてリリースされています。そしてCMの共通項として、そのアイドルの名刺代わりとなるような楽曲であるということが挙げられます。「このアイドルはこんな感じだよ、よろしく!」的な。なので、そのアイドルを知らない人(現実世界のオタク)に対するアプローチが強いんですよ。でもまあアイドルによって差はあるので、キャラソンみたいなのになる場合もある。良くも悪くも。

 

そんな中、鷺沢文香のBright Blueは、アイドルの名刺代わり足りうるのかという話なんですが、これが難しい。

Bright Blueの歌詞で担当以外のオタクにとっても印象的なのを挙げると、

「ファンタジーな世界に逃げてるだけじゃ 本当の私も探せないまま」って歌詞があるんですが、これが個人的に解せなくて。でも色んな人に「文香ってどんなアイドルだと思います?」って聞くと、「本が好きで内気な娘だったけど、Pに引っ張られて一本踏み出した結果、輝き出したアイドル」と答える方が多数です。Bright Blueの詞から導き出すアイドル像としては間違ってないんです。

ですが、鷺沢文香を見続けてきた結果から言うと、文香って現実からの逃げ口に本を選んだわけじゃないんですよ。本の世界からの脱却も望んでいたわけじゃないんです。本が好きだから本を読んでるんです。現に、アイドルになった後も、本は捨てていません。隙あらば読書しています。

確かに、文香はアイドルになることで本の世界に没頭するだけでは得られない様々な経験をして、それを少しずつ、確実に自分の輝きに変えていくことが出来るのが強みの一つです。以上の観点からも「ファンタジーな世界に逃げてるだけじゃ」という歌詞は間違ってないんです。

でも僕が思うに文香にはもう一つの強みがあるんです。

それは本が好きだからこその強みです。本には言の葉で紡がれた物語=人生が広がっています。それこそ、現実世界では経験出来ないようなことまで。それらをアイドルとして表現することが出来る、それが文香のもう一つの強みであると信じています。銀河図書館の歌詞にある「世界を満たした言葉を全部」ってワケですよ。僕の担当アイドルめっちゃ強くないですか?

以上のことから、Bright Blueをもって鷺沢文香はこういうアイドルだよって紹介するのが最適かどうか迷っているんです。(CMの役割=アイドルの名刺代わりであると決めた訳ではないのであしからず)

未だに生で聴けてないからっていうのもあるんですが、今の時点で2曲目来られても頭の整理が出来るかどうか不安だったんです。

 

しかし、そんな不安は銀河図書館がサウンド面でかき消してくれました。リリース発表後、視聴が開始され、とりあえず聴いてみた結果、僕の好みにどストライクでした。文香の声と曲調がめっちゃ合ってます。てかこんな曲も歌えるの?俺の担当まじつええ。卍最強卍って状態で期待が高まってました。

 

そんな中フル版を聴いたのですが、予想もしない爆弾が仕掛けられてて、まあ泣いてしまいました。

初めて聴いた時に、再生時間を見てないので落ちサビやってこれで終わりやねって思ったんです。でもまた間奏が始まって、そうする内に曲は文香による朗読パートへ(4:09くらいから)入っていきます。くそビビった。てかズルくない?

 

そんな問題の朗読パート(台詞パート?)なんですが、ここからは僕の勝手な解釈、妄想です。作曲者の方はそんなこと思ってないかもしれないです。それでも考えてみました。

朗読パートは「銀河図書館」が「銀河図書館」たる理由。かつ、鷺沢文香にしか出来ないことなんです。

つまり何が言いたいかというと、銀河図書館は鷺沢文香というアイドルの存在証明であると僕は感じました。それは何故か?あの朗読パート、もとい銀河図書館が誰に向けてのものかってのを考えてみました。結論、銀河図書館は鷺沢文香が住む世界≒アイドルマスターの世界のファンに向けての曲であると僕は解釈しました。アイドルって自分を見てくれる人=ファンがいるからアイドルでいられるって思うんです。銀河図書館はまぎれもなく鷺沢文香自身が、アイドルとしてのソロ活動で歌う曲なんです。いわば仕事で歌う曲。(CMと2曲目の違いってこれだと思います。違いを上手く言い表せないので申し訳ないです。)

じゃあ仕事で歌う曲って誰に向けての曲なんでしょう?僕は鷺沢文香が感じているファン、つまりアイドルマスターの世界にいる鷺沢文香のファンにだと思います。

(以下「銀河図書館」歌詞引用)

大きな大きな図書館で、女の子が本を読んでいました

そこはとても静かな場所
だれもいない銀河の果てで

女の子は本を読んでいました

女の子は寂しくなんてありません

本を開けば、そこには沢山の物語がありました

しかし、ある日大きな嵐が来て、
女の子は、知らない星へと落とされてしまったのです

目を覚ますと、そこは四角い空の不気味な街
女の子は、怖くて怖くて仕方ありませんでした

そこへ一人の人がやってきて、本を手渡してこう言いました
「さぁ、君の物語を聞かせて!」

本を読み始めると、たくさんの人がやってきました

わくわく、どきどきしながらみんな物語に夢中でした

「めでたしめでたし」

みんなは笑顔になって、四角い空にも星がきらめきだすのでした

本を渡した誰かが女の子の前にやってきて言いました
「素敵な物語をありがとう。君をずっとずっと、待っていたんだ!」

(引用終わり)

 

ざっくり読むだけでもバケモン。

前半部分は僕が先に語った文香の人生観と合致するんです。エモい。

まあそれは置いといて、大前提として""女の子""は文香でいいと思います。「」の人物は、とりあえず、担当Pということにしましょう。後でふれます。

次に、""たくさんの人""、""みんな""=ファンであると仮定しました。本に書かれている物語は文香自身の物語=アイドルとしての人生で、それに惹かれた人々は間違いなくアイドル鷺沢文香のファンなはず。アイドルとしての自分に対するファンの期待や希望を自覚していなければ出てくることのない詞なんです。そして極め付けは最後です。

(以下「銀河図書館」歌詞引用)

女の子はどうしてか、顔を真っ赤にしながら、笑いました。

(引用終わり)

 

この一節が曲の精巧さを格段に上げていると感じました。何故女の子は顔を真っ赤にしながら笑ったのか。それは文香が朗読パートにおける物語の""女の子""は、自分自身であるということ、銀河図書館は自身を表した曲であることに気付いたから。僕の解釈は、仕事として曲をもらって、歌詞を読み進めたら(あれ?...この曲のテーマってもしかして私自身のこと?...)って気付いたわけです。そんなもん恥ずかしいに決まってますよね。もしかしたら赤面する文香を見て担当P、もしくは作曲家が完成前に最後に付け加えたのかもしれないとか妄想してしまいます。いやまあ作ったのは現実の作曲者なんですけどね。

少し話は逸れますが、僕はアイドル(アイマス)の歌って必ずしも自身を表現する必要はないと思ってます。頑張る人を応援する曲、恋の曲、青春の曲、わけもなく騒げる曲、いろんな曲があります。でも銀河図書館は間違いなく鷺沢文香という人物を表した曲であり、それを歌い手である鷺沢文香自身が気付くんです。これこそが""アイドル鷺沢文香""が存在していることの最大の証明なんだと。本当に嬉しくて、気付いた時に悶絶しました。

 

では何故「アイマス世界のファン」に向けての曲が、現実世界の僕にも刺さるんでしょうか?それは朗読パートの「」の人物は僕であり、文香と出会った幾万のPであると同時にファンの声でもあるからだと考えます。僕(達)が担当Pとして、一人のファンとして思っていたことを文香にそのまま伝えてくれた。こんなに嬉しいことはないです。これらを朗読パートとして楽曲の中に落とし込んだ烏屋さん、やばすぎる。

 

話は変わりますが銀河図書館の作曲者である烏屋茶房さんは文香の担当Pです。ツイッターのプロフでちらっと見ました。そう言った前情報がある中で、この人はどんな曲を作るのだろうと凄く興味がありました。ですが、烏屋さんは文香Pである前に、クリエイターとして、これ以上ない「アイドル鷺沢文香の曲」を作りあげてくださいました。「私と鷺沢文香の曲」にならなかったのが凄い。素敵な曲、本当にありがとうございます。

 

銀河図書館は名曲です。みんな聴いてください。With Love買おう。

 

 

そんでもっていつか、ライブで聴ける日が来るのを待っています。(何年かかるんだろ。。。何年でも待つけど)

※結局僕と担当の話になってるけど、一応根拠になってるゲーム内の台詞とかあるんで気になったら聞いてください。